左手マウスerの生態
はじめに
この世は右利きがマジョリティなので、右利き用に作られているものがほとんどです。
もちろんキーボードやマウスも例外ではないんですが、そんな中で左利きに生まれた人間は
頑張って左手でマウスを使い続ける
左利きのまま、右手でマウスを使えるように慣れる
といったふうな選択を迫られます。
(他にも両利き化するなど、この限りではないでしょうけど)
僕は前者を貫いてきた人間なので、
「左利きに育って不満を覚えながらPCを使っている人」
「右利きだけど左利きの生態が知りたい人」
に向けて、
「左利きが快適にマウスを使うために何を行っているか」
を記します。
目次
マウス
配置
当たり前ですが、マウスはキーボードの左側に置いてます。
学校の教室みたいに共用するPCの場合はちょっと不便ですが、簡単な操作なら右手でも出来るのでそこまで困らないです。
形状
これまた当たり前ですが、右利き向けの左右非対称な形状のマウスは使えません。
左利き向けのマウスもあるらしいですけど、自分は左右対称な形状のマウスを使い続けてます。
今はロジクールのG PROです。
理由は後述("サイドボタン"参照)しますが、左右対称マウスの中ではコレが今の所一番良いと思ってます。
クリックボタン
手が逆なので、マウスの左クリック/右クリックも逆転させます。
右手マウスerの諸賢は触れる機会がないかと思いますが、
Windowsにはその設定がちゃんと用意されてます(というか多分どのOSでもある)。
ゲーミングデバイスとかだと、上記とは別に設定が出来るソフトが用意されていたりするので、
そちらでも良いです。 が、
両方で逆転させてしまうと2回逆転して右利きの配置に戻ってしまうので、
どれか1つのみで逆転させる設定にする必要があります。
なんだかんだでWindows設定のみ変えるのが安牌だと思います。
ただ、これらの設定ってRPGツクールとかのゲームだと反映されないことが多いです。
読み取り方が違うんですかね?詳しくないですが。
その場合はなんとか頑張って適応するしかないです(割となんとかなる)。
ちなみにですが、この使い方をしていると
『左クリック』という概念が『右のボタンを押す』という動作と結びつきます。
普段混乱することはないんですが、ふとした時に「うん?」となります。
サイドボタン
大抵のマウスは、右手の親指で押すためにマウスの左側に付いています。
左手で使う場合は間違えて押してしまうので、サイドボタンはソフトで無効化するか、
そもそもサイドボタンがないマウスを選びます。
"形状"のところでロジクールのG PROを使っていると言いましたが、
コレを選んだ理由の7割はG PROのサイドボタンの自由度の高さにあります。
※以下数行、G PRO推し
このG PRO、サイドボタンが左右に2つずつ配置されています。
おまけに、使わないボタンに関してはパーツを付け替えることで、
押し込めないようにすることが出来ます。
これにより、左右対称の形状でありながら右側にだけサイドボタンがあるという仕様のマウスが出来上がります。
その上ワイヤレス。充電は週1以下の頻度。軽い。素晴らしいですね。
キーボード
左利きだからといって不便な点はマウスに比べると少ないです。使っているのも普通のものです。
が、左手でマウスを持つ以上、キーボード左側のキーはマウスを持っていると叩きづらい傾向にあります。
コピペが叩けないのは特に不便なので、PowerToysで右側にコピペを作ってます。
逆に、キーボード右側のキーはマウスから手を離さず叩けます。
テンキーとか、Ctrl+PgUp/PgDnでブラウザのタブ移動等が使えるのは左手マウスのメリットだと思います。
エクスプローラの移動なんかだと、
クリックでフォルダ選択→Enterで入る
Alt+↑で上に戻る
これらが右手で叩けます。
前者はダブルクリックすればいいじゃん、 と思われるかもしれないですが、
左手右手と交互の操作で潜っていけるのが結構スムーズで楽しいです。
ゲーム
キーボードとマウスを使って操作するゲームでは大抵、移動がWASDキーで、
その近辺に各操作のキーが集中しているキーバインドになっているかと思います。
左手でマウスを持ったまま右手でWASDを押そうとすると、
体が左を向く形になり快適とは言えません。
(とは言いつつ一時期それでやってました できなくはない)
そのため、快適なプレイのためにはキーボード右側のキーを使う設定にする必要があります。
おおよそ2択だと思います。
WASDの配列を反転してEnterキー側に持ってくる
JIS配列だと【@;:」】、US配列なら【PL;'】の辺りですかね。
暗号にしか見えないですけど。テンキーを使う
割と直感的ではあるんですが、キー数は基本足らないです。
僕は今のところ後者ですが、使えるキーの数を考えると前者の方が良さそうだと思います。
(面倒くさくてやってないですけど)
どちらを選んでも、テンキーでない方の数字キーが1から使えないのでやりづらいのは確かです。
まとめ
メリット
- マウスを持ったままキーボード右側のキーを叩ける
(キーボード左側とトレードオフ)
デメリット
使えるマウスに制約がある
共用のPCとかがちょっと使いづらい
ゲームごとにキーバインドを設定する必要がある
ゲームによっては左が主ボタンのままになる
(書いてて思ったが、唯一のメリットもトレードオフなので微妙では????)
色々書きましたが、
僕は左手マウスというマイノリティをそれなりに楽しんでいます。
もし野生の左手マウスを見かけた場合は、やさしく接してあげてください。
Mint60(TypeC仕様)を作った話
ちょっと前から左右分割のキーボードが気になってて、色々調べた結果Mint60を基本キットから作った。
入門と書いているが、この前に練習としてSoyuzを作ったので初自作ではない。
この記事が、TypeCな自作キーを作りたい人の一助になれば嬉しい。思ったほど難しくなかった。
Mint60を選んだ理由
- US配列
- 左右分割
- 見た目
- 初心者向きっぽそう(情報が多い)
加えて、TypeC仕様で作りたかった。これは別にMint60でなくても可能だけど。
令和の世にMicro-Bはちょっと…
買ったもの
色々とポコポコ買い足してるので、普通にREALFOCEもう一台買えるくらいの費用掛かってる気がする。
はんだごてとかは元々あるので書いてない(使っているのはこれ)
はんだの吸い取り線と吸い取り器があるけど、吸い取り線は線に熱を奪われるので、溶かしつつ染み込ませていくのが高難度だと思った。熱に弱い部品があるので尚更。
他の人の自作記とそんなに変わらないはず。
Lilakey
- Mint60基本セット
- 基板とかアクリルプレートのみのキット。キースイッチを自分で選びたかった。5日くらいで届いた。
- Tai-Hao Midnight Sun Keycaps
- キーキャップ。なんとなく買ったけど、付けてみたらなんかこれじゃないな…となって後述のを買った。
遊舎工房
- キースイッチ Hako Violet
- 70個購入。テスター買っていくつか触って、なんとなくいい感じがした。自キー温泉の人の記事にも影響された。
- キースイッチ Kailh BOX white
- 10個購入。一部キーに違う触感のスイッチを使ってみたかった。
- TRRSケーブル自作キット
- せっかくなら…と思って25cmを買ったが短かすぎて結局別に長いやつ(後述)買った。
- Elite-C
- 2個購入。TypeC化のため。
- NP PBT Crayon KEYCAPS SET
- かわいい。
その他
大体Amazon。
- 細めのこて先
- 細かいはんだ付けになりそうだったので。買ってよかったけど細い分熱が伝わりにくくて難しくもあった。ヘタクソなだけ?
- プリント基板用はんだ
- 同上の理由で。終わってみたらほぼ1本使い切ってた。
- リードベンダ
- ダイオードを70個近く実装するので買った。今後使わなそうだけど買ってよかったとは思う。
- TRRSケーブル
- 25cmではほとんど左右を離せなかったので。もう一本自作キット買うかと思ったら売り切れてたのもある。
- マスキングテープ
- 100均で買った。結構有用。
組み立て
基本は公式のビルドガイド通りなのでそちらを。 メモ代わりにツイートに残したりしてたけど大きなミスはしなかった…はず。
ダイオード、TRRSジャック、タクトスイッチ実装
ダイオードは1つ余る(予備?)
ダイオードのはんだ付けは反対側まではんだが流れるようにした方がいいらしい。
が、一発で行き渡らせるのが難しくて表側(ダイオードが見える側)から流したりした。そこまでするべきなのかは知らない。
ダイオード×66のはんだ付けをする pic.twitter.com/0k8rm8Fc0g
— てらこ.ttf (@Terako0000) November 30, 2021
TRRSジャックはTRRSのTのピンだけ若干温まりにくかった。こういう時温調あると便利。
タクトスイッチも4ピン中2ピンが温まりにくかった。
ピンヘッダ
コンスルーがキットに同梱されていたけど、接触不良あっても嫌なので普通にピンヘッダで実装した。
向き間違えそうになったので要注意。
スタビライザ
Soyuzでもやってたので難しくはなかったが、右上の1つを付け忘れて後々はんだ付けを外す羽目に(予備1つあるんだなーとか思ってた)。
最下段のレイアウトを全部1Uとかにしない限り(出来るのか?)、同梱の5つは余さず使い切る。
キースイッチ嵌め込み
嵌めるだけ。足を曲げないように注意するくらい。
Elite-C ファームウェア書き込み
自分でコンパイルして焼くのは初めてだったので、はんだ付けする前に一度ビルドして焼いたりした。
Gitニュービーなので用語の使い方間違ってるかもしれない。
開発環境はWin11でWSL2 Ubuntu。Win11になってさらに使いやすくなった。
手順としては
- QMK firmwareのリポジトリをforkしてローカルにcloneする
make mint60/default
でビルド→.buildフォルダにmint60_default.hexができる- QMK Toolboxでmint60_default.hexを選択
- USB挿してRSTボタン押してflash
Elite-CにはオンボードのRSTボタンがあるのでそれでも良いし、RSTとGNDにピンセット当てても可。
ブートローダーがProMicroと違うのでQMK Toolboxは使えないって話だったんだが、普通にQMK Toolboxで焼けた。アップデートされたのかな?
キースイッチ、Elite-C実装
ひたすらはんだ付け。
Elite-CはProMicroと同じように実装してしまってOK。表裏だけ注意。 Elite-Cのロゴが書いてある方がキーボード下面側に向く。
左上2キーくらい(「`」と「1」、「6」と「7」)はElite-Cより先に実装する必要があるのでちょっと注意?
全部付けた後だと外すの大変なので、四隅のスイッチとElite-Cだけ実装して動くか確認したりした。
ピンヘッダを切るときもマステを使うとよい(指で抑えると痛いし)
ピンヘッダ切るとすごい勢いで飛んでくるし、指で抑えると痛いしで何か解決方ないかと模索してたらマステで抑えればいいことに気がついた
— てらこ.ttf (@Terako0000) December 2, 2021
切る位置の目安にもなって最高 pic.twitter.com/Dsyu8BEhwH
LEDテープ
これ実装して変なとこショートしてトラブる人が多い感じがしたので実装してない。
キースイッチやらダイオードやらの足が飛び出てるとこに両面テープだけでくっつけたらそうなるわなという感じもする。
絶縁用にスポンジというかウレタンみたいなものを挟むようにした方が良いのでは…?と思う。
ちょっと線を伸ばしてアクリルプレート側に貼り付けるのも考えたが、開ける時に面倒になりそうなのでやめた。
ケースの組み立て
小さいパーツが2枚重ねになっている所がビルドガイドではちょっと分かりづらかったが、それ以外は普通に組めた。
TRRSケーブル
Mint60とは別キットだが所感だけ書く。
前にもやったことがあったが、3.5mmプラグ(しかも4ピン)のはんだ付けは細かすぎて二度とやりたくない。(多分またやるけど)
見た目は自作感があって良い。
というかこの端子どこから仕入れてるんだろう…
細かすぎる pic.twitter.com/nbEMiwQ4ED
— てらこ.ttf (@Terako0000) December 2, 2021
成果
見た目
こうなった。結構お気に入り。
かわいい〜〜〜 pic.twitter.com/3aSPlhxoAn
— てらこ.ttf (@Terako0000) December 4, 2021
キーマップ
現時点ではこうなっている。左手でマウスを使う異常者なので、お読みの諸賢には合わない可能性が高い。 (黄色セルはデフォルトからの変更点)
const uint16_t PROGMEM keymaps[][MATRIX_ROWS][MATRIX_COLS] = { [0] = LAYOUT( \ KC_GRV, KC_1, KC_2, KC_3, KC_4, KC_5, KC_6, KC_7, KC_8, KC_9, KC_0, KC_MINS, KC_EQL, KC_BSPC, \ KC_TAB, KC_Q, KC_W, KC_E, KC_R, KC_T, KC_Y, KC_U, KC_I, KC_O, KC_P, KC_LBRC, KC_RBRC, KC_BSLS, \ KC_LCTL, KC_A, KC_S, KC_D, KC_F, KC_G, KC_H, KC_J, KC_K, KC_L, KC_SCLN, KC_QUOT, KC_ENT, \ KC_LSFT, KC_Z, KC_X, KC_C, KC_V, KC_B, KC_N, KC_M, KC_COMM, KC_DOT, KC_SLSH, KC_RSFT, KC_UP, MO(1), \ KC_ESC, MO(1), KC_LGUI, KC_LALT, KC_SPC, KC_SPC, KC_RALT, KC_RCTL, KC_LEFT,KC_DOWN,KC_RGHT \ ), [1] = LAYOUT( \ KC_ESC, KC_F1, KC_F2, KC_F3, KC_F4, KC_F5, KC_F6, KC_F7, KC_F8, KC_F9, KC_F10, KC_F11, KC_F12, KC_DEL, \ RGB_TOG, RGBRST, RGB_HUI, RGB_SAI, RGB_VAI, XXXXXXX, XXXXXXX, XXXXXXX, XXXXXXX, XXXXXXX, KC_UP, XXXXXXX, XXXXXXX, XXXXXXX, \ KC_CAPS, RGB_MOD, RGB_HUD, RGB_SAD, RGB_VAD, XXXXXXX, XXXXXXX, XXXXXXX, XXXXXXX, KC_LEFT, KC_DOWN, KC_RGHT, XXXXXXX, \ _______, XXXXXXX, XXXXXXX, XXXXXXX, XXXXXXX, XXXXXXX, XXXXXXX, XXXXXXX, XXXXXXX, XXXXXXX, XXXXXXX, _______, KC_PGUP, _______, \ XXXXXXX, _______, _______, _______, XXXXXXX, XXXXXXX, KC_RGUI, XXXXXXX, KC_HOME, KC_PGDN, KC_END \ ) };
感想
色々あったが致命的なミスはしなかったので良かった。ビルドガイドは結構細かい所まで書いてあって分かりやすいと思う。
練習としてSoyuzを作っておいたのも結構良い経験になっていた気がする。安いし入門にはオススメ。
Hako VioletスイッチはREALFORCEとかと比べると若干音が大きいが、打鍵感は結構好み。
TypeC化もProMicroとほとんど変わらなくね?という手順で出来てしまったので、QMK firmware/toolboxの開発陣には頭が上がらない。
何よりMint60の作者ゆかりさんにも頭が上がらない。界隈で人気あるキーボードなだけあって伊達じゃないなという感じ。
では良い自キーライフを。